食事療法、運動療法だけでは血糖コントロールが不十分なときのみに用います。安易に薬に頼るのは危険です。また、食事療法、運動療法が出来ていない場合は薬の効果も得られないことが多くかえって肥満を増長する場合もあります。
現在よく用いられている薬は大きく分けて6種類あります。
・インスリン分泌刺激薬(SU剤)
・ビグアナイド薬(BG薬)
・αグルコシダーゼ阻害薬(αGI薬)
・インスリン感受性改善薬(TZ薬)
・速効型インスリン分泌刺激薬(NAT薬)
・インクレチン作用増強剤(DPP4阻害薬)
1)食物中の糖質は小腸でブドウ糖に分解されてから体内(=血液中)に吸収されます
αグルコシダーゼ阻害剤(ベイスン・グルコバイ)
作用:糖質をブドウ糖に分解する酵素の働きを抑え、腸内での消化吸収を遅らせ、食後の高血糖を改善する薬です。
2)肝臓は血液中を運ばれてきたブドウ糖を肝臓内に蓄えたり、血液中に放出したりして血糖値を調節します。
ビグアナイド(メルビン・ジベトス)
作用:肝臓が血液中にブドウ糖を放出するのを抑えます。
3)すい臓から血糖値に従いインスリンが分泌され、ブドウ糖が体内(筋肉など)でエネルギーとして利用されるのを助けます
SU剤(オイグルコン、ダオニール、グリミクロン、アマリール)
作用:すい臓からのインスリン分泌を刺激します。
速効型インスリン分泌促進剤(ファスティック、 スターシス、グルファスト)
作用:SU剤と同様ですが、素早く効果が発揮され、速やかに消失しますので食後の高血糖を改善できます
4)ブドウ糖は血流にのり全身に送られ筋肉などに取り込まれエネルギーとして利用されます。
インスリン抵抗性改善剤(アクトス)
作用:筋肉細胞などでインスリンの効果を高め、効率良くブドウ糖が細胞内に取り込まれるようにします。また脂肪細胞に働きインスリン抵抗性を改善するアデポネクチンを増やします。
5)食べ物が小腸内に入ってくると小腸からインクレチンというホルモン(GLP−1やGIP)が分泌され膵臓のインスリン分泌を増強させます。 これらのインクレチンはDPP4という酵素によりすぐに壊されてしまいます。
DPP4阻害薬(グラクティブ、ジャヌビア)
作用;インクレチンの分解を抑えインスリン分泌を増強します。
主に膵臓のインスリン分泌細胞に働きインスリン分泌を刺激する薬です。
以前は糖尿病の薬といえばこれでした。 現在、よく使われているのは商品名でオイグルコン、ダオニール、グリミクロン、古いところでラスチノン、ジメリンなどがあります。
副作用は少ないですが、医師からの処方量をこえて服用したり、薬をのんだものの食事をとらなかったり、またいつもより食事量がすくなかったり、運動量が多かった場合は、血糖値が下がりすぎ、いわゆる低血糖症状が出現することがあります。
*:食事療法ができていないのに薬を使うと肥満してしまいます。また、古いタイプのジメリン、ダイアビニースなどは作用時間が長いためお年寄りなのではおもわぬ低血糖が出現することがあります。
排泄 |
作用時間 |
|||||
| グリベンクラミド | オイグルコン ダオニール |
腎排泄 |
6~24 |
|||
| グリクラジド | グリミクロン | 腎排泄 |
6~24 |
|||
| トルブタミド | ラスチノン | 腎排泄 |
6~12 |
|||
| クロルプロパミド | ダイアビニース | 腎排泄 |
60 |
|||
| アセトヘキサミド | ジメリン | 腎排泄 |
10~16 |
|||
| グリメピリド | アマリール |
1錠あたりの血糖降下作用はトルブタミド<グリクラジド<グリベンクラミドの順に強力になります。
服用の方法:
基本的には食前30分前に服用します。軽症では朝食前に半錠位から始めます。その後、血糖値を診ながら、朝夕食前の2回にそれぞれ1錠または2錠と増やして行きます。糖尿病専門医の場合は患者さんの血糖値のパターンにより、その患者さんにあった変則的な処方となることもあります
新しいSU剤:グリメピリド(アマリール)
血糖降下作用はグリベンクラミドと同等以上に強力ですが、インスリン分泌刺激作用はさほど強くなく、膵B細胞以外への作用、筋肉などの末梢組織での糖の取り込みも促進することなどが考えられます。すなわち、インスリン分泌を刺激するとともに末梢におけるインスリン感受性を高めるという薬です。
服用の方法:
基本的には食前30分前に服用します。1日1回または2回です。
一般名:ボグリボース、アカルボース
腸管におけるデンプン、蔗糖などの多糖類から単糖類へと分解をするグルコシダーゼという酵素の働きを抑制することにより糖の吸収を遅延させる薬。
商品名:グルコバイ、ベイスン
*:おなかがはったり、とにかくおならが良く出ます。決して糖の吸収を阻害する薬ではありません、吸収のスピードを遅くするだけです。ジュースなど始めからブドウ糖などの単糖類を多く含む食品を摂取したときは効果はありません。また、本剤を服用している際に、低血糖が出現した場合は、ブドウ糖を摂取しないと低血糖が遷延する可能性があります。
服用の方法:
各食事の直前に服用します。食後しばらくして服用してもあまり効果はありません。
以前からある薬です。
腸管からの糖の吸収を抑制
肝・筋肉での糖の分解を促進
肝での糖の新生を抑える
食欲を抑える
この作用は言い換えると肝臓、筋肉でのインスリンの効きを良くする薬です。かなりまえのことですがこのタイプの一部に乳酸アシドーシスなどの副作用が多発したことから使われなくなりました。しかし、最近、副作用のすくないタイプが見直されています。肥満している糖尿病患者さんに向いている薬です。英国からの報告によると薬の副作用による危険率はSU剤服用の場合より低いという報告がなされています。
また、最近の英国の長期間にわたる多施設共同の臨床研究報告によるとビグアナイドで治療した群は、SU剤やインスリン治療を受けた群よりも合併症による危険率が低かったという結果が得られました。また、副作用の発生率もSU剤よりも低いという結果でした。今後、我が国でも積極的に再び使われるようになると考えられます。
商品名: メルビン、ジベトス、グリコラン
*:アルコール中毒、肝硬変や肺機能低下している方では乳酸アシドーシスを起こすことがまれにあります(昏睡状態になります)ので注意を要します。
服用の方法:
食後に服用します。 単独では空腹時に服用しても問題ありません。
一般名:ピオグリタゾン
末梢組織、特に筋肉のインスリンの効きを良くします。
商品名:アクトス
いままでになかったタイプの薬でインスリン作用を高めます。特徴はビタミンEの骨格構造をもつ薬で以下の作用を有します。
インスリンレセプターの感受性を増強
筋肉細胞での糖利用促進
肝臓での糖新生の抑制
中性脂肪の低下作用
抗酸化作用
*:この薬はインスリン抵抗性がない人には効果がありませんインスリン抵抗性の有無を調べる手軽な方法としては、空腹時インスリン値があります。空腹時で10U/ml以上であればインスリン抵抗性がある可能性が高いと思われます。 また、肥満している人(BMI>24)は総じてインスリン抵抗性であることが多いのでBMIが一つの指標になります。 SU剤との併用は可能です。もちろんこの薬でも食事療法、運動療法ほ必要性は変わりません。以前、同系統のノスカールが原因と思われる重篤な肝臓障害(死亡例を含む)の発生しました。アクトスでも肝機能の血液検査を定期的に受けましょう。
服用の方法:
食後に服用します。単独では空腹時に服用しても問題ありません。
一般名:ナテグリニド
D―フェニルアラニンというアミノ酸の誘導体の一種で、従来のインスリン分泌刺激剤(SU剤)に比べ作用時間が極めて短く、食事直前に服用し、食後血糖を抑えることができます。血糖降下作用はそんなに強力ではありませんが、いままでのSU剤にくらべ低血糖が起こりにくい特徴があります。
商品名:スターシス、ファスティック
服用の方法:
各食事の直前に服用します。食後しばらくして服用してもあまり効果はありません。
最近は、注射が楽なペン型のインスリンが主流です。
以前はブタやウシの膵臓から抽出したインスリンを使用していましたが、現在では遺伝子工学的に生産された合成ヒトインスリンが使われています。インスリンの種類は、その作用時間により分けられます。注射後速やかに効果の発現する速効型とゆっくりと半日ほど効果の持続する中間型、その両者をあらかじめ混合した2相型が代表的なものです。
新しいインスリン製剤
(1)超速効型インスリン
ヒトインスリンのアミノ酸配列を少し入れ替えることにより今まで以上に注射してからの効果が早く出現するインスリンです。注射後5分くらいから聞き始めますので食事直前に注射をします。食事に対するインスリンの追加分泌を補うのに適しています.
商品名 ノボラピッド注とヒューマログ
(2)持続溶解型インスリン
これもヒトインスリンのアミノ酸配列をすこし変更したインスリンです今までのゆっくり効く中間型インスリン以上に不用なピークがなく24時間効果が持続します インスリンの基礎分泌をおぎなうのに有用なインスリンです
商品名 ランタス

現在使用されているインスリン注入器

ノボベン・ラグジュラペン(上段左)
イノレット フレックスペン(上段右)
ランタスオプチクリック(下段中央)
注射の仕方:普通、下の図のようにおへその周りのおなかの皮下, 大腿前面の皮下に自分でうちます。注射のハリはとても細く刺す痛みもほとんどありません。同じ部位に注射を続けると皮膚が硬くなりますので、毎日注射部位をずらしてください。大腿に注射したあと運動をすると血流が促進されインスリンの吸収が早くなり、インスリン効果が早く出現し血糖コントロールが乱れることがありますので注意しましょう。また同様の理由でインスリン注射後、すぐにはお風呂には入らないほうがいいでしょう。

中間型(N)インスリン 朝食前1回

昔はこの打ち方からインスリン治療を始めましたが最近はあまりもちいられません
中間型(N)インスリン 朝夕食前2回

インスリン分泌能力の比較的保たれているNIDDM患者の方に多い打ち方です
混合型(30R)インスリン 朝夕食前2回

中間型2回注射では食後の血糖値が高い場合
強化インスリン療法 各食前速効型+眠前中間型

自然のインスリン分泌をパターンいちばん近い注射方法です。インスリン分泌が廃絶したIDDM患者の方はこの注射方法が必要です。

以前は1日1回朝食前のみの注射が多かったのですが最近は1日2回から4回と頻回注射が普通です。注射量はさまざまです。打つ量が多いほど重症であるということではありません。1日量として、手術ですい臓を全部摘出したひとや慢性膵炎ですい臓が完全に機能していないひとではトータル30~40単位必要であるといわれています。 インスリン抵抗性の有る方では一日に100単位以上必要な方もおられます。また、1日10単位くらいで良好なコントロールになるがそれより少しでも多いと低血糖が頻発するし、少ないと血糖値がぽんと高くなるといった方もおられます。
薬物治療中は低血糖発作に注意してください。強い空腹感、冷汗、震え、イライラ感、脱力感などが出現します。ひどい場合は昏睡状態になります。おかしいなと思ったら角砂糖1ヶや缶ジュース1/3本を服用しましょう。まれに前兆なく意識が消失する方もおられますので要注意です。しかし、軽い低血糖発作も恐れその結果高血糖が持続するようでは合併症はふせげません。低血糖を必要以上に恐れず頑張ってコントロールしましょう。
αグルコシダーゼ阻害剤を使用されている場合は、ブドウ糖でないと血糖値があがりませんので注意してください(実際は純粋のブドウ糖でなくてもあがりますが、ブドウ糖を持参していただいたほうがベターです)
糖尿病性昏睡 重度の肝障害、腎障害 重症の感染症の併発 外科手術 糖尿病合併妊娠 |
インスリンの絶対適応
|
著明な高血糖 FBS250mg/dl以上 随時血糖350mg/dl以上 尿ケトン体強陽性 SU剤無効例 |
インスリンの相対適応
|
抗GAD抗体陽性 グルカゴンテストでCRP増加 反応2.0ng/ml以下 尿中CPR排泄量 25μg/day以下 |
インスリンの相対適応
|
以前はインスリン治療はインスリン分泌が低下した場合の補充療法であると考えられていましたが、最近、インスリン分泌能力の残っているインスリン非依存型糖尿病の食後高血糖を是正する目的で速効型(R)インスリンを各3食前に注射する方法が用いられるようになってきました。
1)アルドース還元酵素阻害剤:キネダック
現在、市販されている唯一の薬です。 糖尿病性神経障害によるしびれの改善、神経伝導速度の改善は報告されています。 そのメカニズムは高血糖による細胞内のソルビトール蓄積による細胞浮腫(細胞のむくみ)を改善することにより神経細胞の機能を回復させます。
インクレチン作用を有する消化管ホルモン
GLP-1アナログ(注射薬)
経口でブドウ糖を摂取した場合に静脈注射で同量のブドウ糖を体内に注入した時に比べインスリン分泌が増強されていることから発見された消化管ホルモン GLP-1は半減期が短いので1日効果が持続するように開発されたもの 注射薬である これを注射すると食事の時のみインスリン分泌が増強されるので低血糖は起こしにくい 対象は2型糖尿病 現在 第三相試験中であり来年半ばにいよいよ発売です
吸入式インスリン
現在鋭意開発中、専用の吸入器を使用し、霧状になったインスリンを吸入、気管支粘膜からインスリンを体内に取り込み作用する。以前は鼻粘膜から吸収されるタイプのものの開発が試みられたがとん挫しています。 しかしこの吸入インスリンプロジェクトは中止になったようです。
開発中の糖尿病合併の予防薬
アミノグアジニン
糖化最終産物(AGE)の合成阻止効果のある薬、糖尿病合併症の原因ではないかと考えられているAGEを押さえることにより合併症の予防薬としての期待が集まる薬剤。市場に出るのは早くて数年先。
PKCベータ阻害剤
糖尿病合併症の原因の一つであるPKCの活性を抑える薬剤。現在欧米で治験中である
漢方薬の糖尿病に対する効果については、糖尿病合併症に対して西洋医学的に用いられ一定の効果を示すものがいくつか存在する。 しかしインスリン分泌不全およびインスリン抵抗性を改善し直接的に血糖コントロール状態を改善するものは見あたらないようである。
糖尿病性神経障害に対する漢方
糖尿病合併症の成因には細胞レベルの高血糖による以下の変化が重要である
1.蛋白のグリケーション
2.AGEの沈着による蛋白変性
3.PKC活性の亢進
4.ポリオール代謝経路の亢進
5.ミオ・イノシトール競合阻害による減少
6.Na/K ATPase活性の低下
7.血小板凝集能の亢進
8.線溶系の低下
特に神経障害ではポリオール代謝経路の亢進以下4、5、6が重要である。以下に示す漢方薬ではARI様の効果を示し、しびれ、頭痛など自覚症状の改善が認められる。
赤血球内 |
血小板凝集能 |
血小板粘着能 |
|
八味地黄丸 |
→ |
↓ |
→ |
牛車腎気丸 |
↓ |
→ |
↓ |
芍薬甘草湯 |
↓ |
↓ |
→ |
桂枝加尤附湯 |
↓ |
↓ |
→ |
疎経活血湯 |
↓ |
↓ |
→ |
桂枝伏苓丸 |
→ |
↓ |
→ |
糖尿病性単発性神経障害に対する牛車腎気丸の効果についての検討
対象:
NIDDM 100例 男性55例、女性45例 平均年齢62歳、64歳 糖尿病罹病期間13年、15年
治療:
食事療法単独7%、経口血糖降下剤54%、インスリン39%
糖尿病コントロール状態 HbA1c9.6%、9.4%
方法:
牛車腎気丸を7.5〜5.0g/日を36ヶ月以上投与した。
結果:
投与開始後1ヶ月目で78%の症例で自覚症状の改善が認められた
下肢脱力感72%、しびれ感67%、下肢痛65%、冷感64%、
無効例を検討してみると、下肢のほてり感、灼熱感を主訴とする症例であった。
MCV、SCV、振動覚検査など他覚所見での改善度は有意ではなかった。
食事で取った栄養素(糖質)は腸で消化されブドウ糖となり体内に吸収され血液の流れにそって全身に周り筋肉などに取り込まれエネルギー源となります。肝臓は余ったブドウ糖を貯蔵したり空腹時にそれを放出したりして血糖値を調節しています。インスリンは肝臓や筋肉への糖の取り込みに不可欠なホルモンで、血糖値が上がるとすい臓から血液中に分泌されます。
1)αグルコシダーゼ阻害剤 腸内で糖質を分解する酵素の働きを抑えることにより糖の吸収を遅らせ、食後の高血糖を改善する薬です。 |
2)ビグアナイド剤 肝臓は血液中から運ばれてきたブドウ糖を蓄えたり、放出したりして血糖値を調節します。この薬は 肝臓からのブドウ糖の放出を抑えます。 |
3)SU剤 すい臓から血糖値に従いインスリンが分泌され、ブドウ糖が体内(筋肉など)でエネルギーとして利用されるのを助けます。この薬はすい臓からのインスリン分泌を刺激します。新しいもの*では(4)の効果を合わせ持つものもあります |
4)インスリン感受性改善剤 ブドウ糖は血流にのり全身に送られ筋肉などに取り込まれエネルギーとして利用されます。この薬は筋肉細胞などでインスリンの効果を高め、効率良くブドウ糖が細胞内に取り込まれるようにします。 |
1)αグルコシダーゼ阻害剤 |
□ベイスン |
|||
2)ビグナイド剤 |
□メルビン錠 |
|||
3)SU剤 |
□グリミクロン |
食直前 |
||
4)インスリン感受性改善剤 |
□アクトス |
低血糖とは
糖尿病の薬は血糖値を正常域にまで下げるために服用するわけですが、しばしば効果が出過ぎて血糖値が正常以下になります。これが低血糖状態です。血糖値が下がりするとこん睡をおこすこともありますが普通はその前に血糖値をあげようとアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。 アドレナリンによる右に示した症状がいわゆる低血糖症状です。これらのサインがでているにもかかわらず放置していると意識がなくなるこん睡状態になります。
低血糖症状
いらいら、動悸、冷や汗、手のふるえなどがでれば、ブドウ糖を補給するようにしましょう。
いつ低血糖が起こりやすいか?
低血糖が起こりやすい時間帯は昼食前、夕食前です。
いつもより食べる量が少なかったり、いつもよりよく動いた場合、また、食事時間がいつもより遅れた場合などに起こりやすいようです。旅行などで食事時間が不規則になる場合は必ず甘いものを用意しておきましょう。
普通にしていても起こるようなら、薬を減らしていけるサインですが、自己判断で減量せずにご相談ください。
低血糖がおこったら
角砂糖1個、スティックシュガー1本、キャンディ1個、缶コーヒー半分程度で十分です。 あんパンを2個や、チョコレートをまるまる1枚などと取りすぎると血糖値があがりすぎるので注意しましょう。
ただし、ベイスン、グルコバイを服用されている場合はブドウ糖そのものを飲まないと低血糖からの回復がおくれる可能性がありますので専用のブドウ糖を用意しておきましょう。またメルビン、アクトスを単独で使用している場合は低血糖はおこりません
糖尿病患者さんの場合は、日頃の風邪、下痢、腹痛などちょっとした病気も油断禁物です。特に経口剤やインスリン治療中は急激にコントロールが悪化したり、場合によっては昏睡に陥ったりすることがあります。そうならないようにする工夫が「シックデイルール」です。
1)病気のときにはストレスホルモン(副腎ホルモンやアドレナリン)がたくさんでます。 これらのストレスホルモンはインスリンの働きを抑え血糖をあげる作用があります
2)下痢や発熱があると脱水になり易く血液が濃縮されます。血液が濃縮されるとその結果、血糖値もあがります。食べれないのだけの理由で経口薬やインスリンをを自己中断してしまうのはかえって危険です。以下の様な状況のときは連絡をしてください
1.まったく食事がとれない
2.下痢や嘔吐がつづく
3.高熱がつづく
4.尿検査用紙を持っている場合 尿ケトンが強陽性となる
5.尿検査用紙を持っている場合 尿糖が強陽性となる
シックディの具体的な対応の例
(2錠を1錠など) |
シックデイの食事について
1)糖質を主体として消化吸収のよいものを
2)水分や電解質をしっかり補給 (脱水予防)
3)味噌汁、スープ、果汁などを取る
インスリン注射についてはいまだにいろいろと誤解があり、治療の開始にあたり不安や戸惑いがあるかもしれません。インスリン療法は、ひとことでいうと体内で不足しているインスリンの補充療法です。 インスリン注射を開始するというのは、必ずしもあなたが重症の糖尿病であると言うことではなく、また、ずっと打ち続けなければいけないというものでもありません。
★インスリン注射の効果:
1.高血糖が改善し糖毒性が解除される。 これによりインスリンの分泌能力の回復や筋肉・肝臓でのインスリン抵抗性が改善する
2.膵臓が休息できるのでインスリン分泌が回復する可能性がある
3.全身倦怠感などの症状が改善する
4.良好なコントロールにより糖尿病合併症の進行を阻止できる
インスリン導入のステップ
まず最初に次のことを勉強します
1.インスリン注射用のペンの使い方
2.実際の注射の仕方
3.血糖自己測定のやり方
外来でのインスリン注射は次の3つのステップに分けれます。
ステップ1 (1〜2週間) 少量のインスリンでまず注射に慣れるのが目的
ステップ2 (2〜4週間) ゆっくりインスリンを増量し高血糖の改善を目指す
ステップ3 (4週間〜 ) 注射量と回数を積極的に調節しより良い血糖コントロールを目指す
ペン型インスリン注射器 |
グルコカード(血糖自己測定機器) |
オートランセット(採血器) |
ペンニードル(注射針) 7個入 |
ダイアセンサー(血糖測定チップ) 30枚 |
ランセット(針) 25枚 |
インスリン導入指示書
あなたが使用するインスリンは、
インスリンの種類 (□速効型 □中間型 □混合型 )
インスリンの名前は ( )
インスリン注射時間と量は、
インスリン注射量 |
単位 |
単位 |
単位 |
単位 |
インスリン注射手技のチェックシート
1)白濁したインスリンは10回以上振ったか?
2)インスリンのゴム部を消毒したか
3)注射針はしっかりねじ込んだか
4)2単位空打ちをしたか
5)ペンのダイアルは正確にセットできたか?
6)注射部位はローテーションしているか?
7)インスリン注射部を消毒したか?
8)注射部をつまんで注入できたか?
9)注入後ひと呼吸おいてボタンを押ながら抜いたか?
10)ダイアルは0まで戻っているか?
11)注入部は揉まずに軽くおさえたか?
シックディ ルール
糖尿病患者さんの場合は、日頃の風邪、下痢、腹痛などちょっとした病気も油断禁物です。特にインスリン治療や飲み薬を飲んでおられる場合は急激にコントロールが悪化したり、場合によっては昏睡に陥ったりすることがあります。なぜ、ちょっとした病気で血糖コントロールが乱れるのでしょうか?それには次のような理由があります。
1)病気のときにはストレスホルモン(副腎ホルモンやアドレナリン)がたくさんでます。これらのストレスホルモンはインスリンの働きを抑え血糖をあげる作用があります
2)下痢や発熱があると脱水になり易く血液が濃縮されます。血液が濃縮されるとその結果、血糖値もあがります。
以上のように、食べれなくても血糖が上がる場合がり、インスリンの必要量もいつもより増加していることも多いのです。食べれないのだけの理由でインスリン注射を自己中断してしまうのはかえって危険です。以下の様な状況のときは主治医に連絡をしアドバイスをもらいましょう。
1.まったく食事がとれない
2.下痢や嘔吐がつづく
3.高熱がつづく
4.尿検査用紙を持っている場合 尿ケトンが強陽性となる
5.尿検査用紙を持っている場合 尿糖が強陽性となる
6.血糖自己測定をしている場合 BS300mg/dl以上がつづく
| 病気の際は食後に食事量を確認してから注射しましょう。 | |
病気の時の食事について
1)糖質を主体として消化吸収のよいものを
2)水分や電解質をしっかり補給 (脱水予防)
3)味噌汁、スープ、果汁などを取る
とにかくしっかり水分をとりましょう
インスリン導入指示書
1)インスリンの種類の確認 ( R N 30R )名称( )
2)注射回数の確認 (1日 回: 朝食前 昼食前 夕食前 眠前)
3)注射指示量の確認 ( U U U U)
4)注射手技の確認
5)Drの手による注射
6)低血糖の話
7)Sick day rules の話
Q1:薬を飲み忘れた場合
A1:食後すぐに気がついたときはその時点で飲んでください。朝食前後または朝夕食前後の薬で、朝食時に飲み忘れた場合は昼食時に服用してもかまいません。朝食を抜いた時も昼食時に服用してください。しかし1回分忘れたからといって2回分をまとめて飲まないようにしましょう。
Q2:薬の副作用は?
A2:αグルコシダーゼ阻害薬 腹部膨満、下痢、放屁など、ごくまれに肝障害、低血糖
ビグナイド剤 食指不振、まれに乳酸アシドーシス
SU剤 遷延性低血糖、肥満増強
インスリン感受性改善剤 浮腫、肥満増強、まれに心不全、重篤な肝機能障害の可能性(アクトスでは報告なし)
Q3:低血糖とは
A3:糖尿病の薬は血糖値を正常域にまで下げるために服用するわけですがときどき血糖値が正常以下になります。これが低血糖状態です。血糖値が下がりするとこん睡をおこすこともありますが普通はその前に血糖値をあげようとアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。 このアドレナリンによる症状がいわゆる低血糖症状です。放置していると意識がなくなるこん睡状態になります。
Q4:低血糖症状とは
A4:いらいら、動機、冷や汗、手のふるえなど
Q5:いつ低血糖が起こりやすいか?
A5:低血糖が起こりやすい時間帯は昼食前、夕食前です。
いつもより食べる量が少なかったり、いつもよりよく動いた場合、また、食事時間がいつもより遅れた場合などに起こりやすいようです。 旅行などで食事時間が不規則になる場合は必ず甘いものを用意しておきましょう。普通にしていても起こるようなら、薬を減らしていけるサインですが、自己判断で減量せずにご相談ください。
Q6:低血糖がおこったら
A6:角砂糖1個、スティックシュガー1本、キャンディ1個、缶コーヒー半分程度で十分です。 あんパンを2個や、チョコレートをまるまる1枚などと取りすぎると血糖値があがりすぎるので注意しましょう。
ただし、ベイスン、グルコバイを服用されている場合はブドウ糖そのものを飲まないと低血糖からの回復がおくれる可能性がありますので専用のブドウ糖を用意しておきましょう。
インクレチン作用を増強する薬剤 シタグリプチン(商品名はグラクティブとジャヌビア)
静脈に直接ブドウ糖を投与するより、おなじブドウ糖の量でも経口的に負荷(つまり飲んだとき)したときにインスリン分泌が多いという現象は昔から知られていました。これは腸内に栄養(ブドウ糖など)が入ってくると小腸からインクレチンというホルモンが(GLP−1、GIP)分泌されすい臓のインスリン分泌細胞(B細胞)を刺激することによります。 食べることにより入ってくる糖の刺激に加えてインスリン分泌を増強するわけです。通常はこのインクレチンはDPP4という酵素により速やかに(2分程度)分解されてしまいます。 糖尿病患者さんではこのインクレチン効果が低下していることが知られています。 特にGLP−1の分泌が低下しています。またGLP−1は血糖値を上昇されるすい臓から分泌されるグルカゴンというホルモンの分泌も抑える作用があり、糖尿病ではこのグルカゴンが相対的に増えていることも血糖値があがるひとつの要因です。DPP4阻害薬はGLP-1を分解を阻止することによりGLP-1の効果を増強し、食後インスリン分泌を増強、グルカゴン分泌を抑制することで血糖の上昇を抑えます。
その性格上 1日1回の服用で効果があり、食事を食べた時だけ、血糖値が高いときだけ インスリンが出やすくなるので低血糖が少ないのが特徴です。